Interview

『自立型療法士』として、多様な働き方を実現する

理学療法士I.S.

2013年 / 中途入社

Interview

physical therapist

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01

自立型療法士として築く、パラレルキャリア

僕は現在、訪問看護ステーションからのリハビリ要員として保険内でのサービスを提供しつつ、社外活動として野球チームのトレーナーや空手道場のトレーニングコーチといったスポーツトレーナーとしての活動を行っています。
2022年には大学院の修士課程を修了し、今も研究活動を続けています。

なんでこんなに多様な活動をしているかというと、僕はそもそも「暇」が嫌いで週休2日もいらないという考えなんです(笑)
色々なことに取り組んでいることで身についたオールラウンダーな力で、ニーズに合わせたことをできるのが僕の強み。
それを生かしてその場その場で、その人に適したサービスをしたいと思っています。

そもそも、保険内と保険外では、できることややっていいこと・やるべきことが違います。
けれど社会の中で案外それは知られていなかったりするもので、保険内で提供すべきサービスについて、個人に相談が来たりもする。
僕は実際、個人宛にいただいた依頼を「それだったら保険が使えるから」と伝えて、会社として受けたことがあります。
理学療法士として保険内だからこそできる医療サービスもしたいし、トレーニングコーチなど理学療法士の資格を活かして保険外でできる活動もしたい。
だからどっちもの立場を持って、どっちものことをやっているんです。

大学院に進んだのも、スキル面でこれ以上の貢献は難しいと思って、対象者と1対1になる臨床ではなく、1対複数の関係を作れる研究をしなければと思ったんですよね。
幸い、憧れの先生が近隣の学校にいらっしゃったので、その方に師事することにしました。
大学院には若くて優秀な療法士がたくさんいてびっくりしました。
「こんなに若くて優秀な人が出てきているならリハ専門職の未来は明るいかも」と感じた一方で、僕は理学療法士になって20年。
キャリアも中堅に差し掛かっている中で、理学療法士として自分自身の役割や、これから行うべき仕事がなんなのかということは改めて考えさせられました。

博士課程に進み研究を深めたい、後進育成をもっとしたい、という気持ちはありますが、これから自身のキャリアをどう積み上げていくのかは考えている最中です。

02

理学療法士としての想い

国家試験に合格して就職した当初は「この疾患が診たい」や「この場所で働きたい」という希望は特にありませんでした。
目の前にいる患者さんに対してただがむしゃらにやっていたわけですが、経験を積んでいく中で、小児と難病の方を診たい想いが芽生えてきました。
きっかけはALS(筋萎縮性側索硬化症)の方。
進行性の難病であるALSは非常に過酷な病です。
否が応でも死を意識しますし、残された時間が多くないことに本人も家族も半ば強制的に向き合わされます。
ただ、私がこれまでみてきたALSに罹患した本人とその家族の多くは、最期を迎えるとき相互に深い感謝の気持ちを交わされていました。
それが今でも心に強く残っています。
家族が互いに感謝をし合って息を引き取る。そんな最期を迎えられる方はなかなかいないのではないでしょうか。
だから僕は、より良い最期を迎える道筋の中でひとつのピースになって、時間を大切にされる姿勢や「良くなってほしい」という願いを大切にしたいと考えています。

ところで、僕は昔野球をしていました。
目指すような選手にはなれず高校で辞めたのですが、「こんなんじゃないのに」という悔いがずっと強かった。
そういう想いをする人を減らしたくて理学療法士を目指したので、今やっている野球チームのトレーナーはやりたかったことのひとつです。
「夢をかなえる場所であり、諦める場所である」という理念に共感してチームに参加しています。
プロになれるかなれないかのラインにいる人を伸ばしていくのはとても楽しいです。
関わる人によって大きく変わるのはそのラインにいる人なので、責任が重大だからこそやりがいを感じます。

03

自己実現は「楽しくて自由な大人の体現」

やりたいことができる=自己実現だと思っています。
僕の場合は、「仕事は楽しいもんだよ」「大人になったら自由だよ」と子どもに見せられる働き方をするのがそれ。
子どものほうが楽しくて大人が大変なら、子どもたちは大人になんかなりたくなくなるじゃないですか。
だから、「仕事面白くないし疲れた」とか「仕事がしんどくて辛い」って思うような仕事はしたくないし、子どもには見せたくないんです。
「大人はもっと自由でもっと楽しい」そう伝えられる働き方や生活ができれば自己実現かな、と思います。

自立型療法士の働き方は、時間のコントロールも自分でやりやすく、自己管理がきちんとできるのであれば仕事もある程度選べます。
ただもちろん、最初は仕事がありませんし、「合う/合わない」「やりたい/やりたくない」など言えません。
何につけても言えることですが、がんばらなくてはならない時期はあります。
そこで優先順位を間違ってしまうと後でもっとしんどいよ、と言いたいです。
もちろん、どこで満足するかは人によって違うので、確実なことは分かりませんが。
そもそも「合う/合わない」「やりたい/やりたくない」といった希望も、長く続けてはじめて揃ってくるものだと思うので、長い目で見てくれたらいいなと思います。

「適材適所」という言葉があります。
僕は、小児や難病の支援をしたいから専門性を高め、学びを続けてきました。
ですが、在宅のご利用者相手だと、高い技術を持っていることも大事ですが、コミュニケーション能力があること・理学療法士として適切な評価ができることが重要です。
僕は理学療法士になって10年ほどは徒手療法にこだわり研鑽を続け、難病や医療的ケア児も診るならと呼吸認定理学療法士の資格も取得しました。
が、一方でスキルの限界も感じるようになりました。
スキルはある一定水準を超えると自己満足の世界でもあると僕は考えています。
療法士も利用者も価値観はそれぞれで、私が週休2日もいらないという人なら、週休2日はないと働けないという人もいます。
どちらが良い悪いではなく社会とはそういうもので、全ての人がその力を十分発揮できる適材適所の環境が必ずあるはずです。
ALSのような進行性の難病に関わるなら相応の知識と準備、スキルが必要であるように、適材となるための努力はもちろん必要ですが。

そうした現実を受け止めながら、自分なりの「自己実現」に向けて、やるべきことを考えていける人が増えるといいなと思っています。

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